服にはこだわる。靴も、バッグも、時計も。でも、なぜかメガネだけは「まあこれで十分」になってしまう。そういう人が、実は多い。

「必要なもの」と「選ぶもの」の違い
メガネが後回しになる理由のひとつは、「視力を矯正するための道具」という認識が強いからだ。つまり、「選ぶもの」ではなく「必要なもの」として処理されている。
靴は「歩くため」、バッグは「荷物を運ぶため」という機能があっても、それをファッションとして楽しむ感覚は自然にある。なぜメガネだけ、機能の文脈で止まってしまうのだろう。
一つ考えられるのは、選び方の基準が「似合うかどうか」だけになりがちだということだ。顔型や鼻の高さ、肌の色に合うかどうか。それ自体は大切だが、「似合うかどうか」という問いは、正解が見えにくく、答えが出にくい。だから後回しになる。
でも実際は、顔に一番近いアイテムだ
冷静に考えると、メガネは顔のど真ん中に乗っている。他のどのアイテムよりも、相手の目に入る時間が長い。
スーツがどれだけ整っていても、10年前のフレームをかけていれば、その印象が勝る。逆に言えば、フレームひとつで、顔の印象は確実に変わる。

「似合うかどうか」より「どう見られたいか」
視点を少し変えてみてほしい。「似合うか」ではなく、「どう見られたいか」からメガネを選ぶ。
ビジネスの場で信頼感を出したいのか。休日は少し力を抜いたカジュアルな印象にしたいのか。初対面の場で、落ち着いた大人の雰囲気を伝えたいのか。
その問いに答えていくと、自然と「どんなフレームが自分に必要か」が見えてくる。これは服選びと同じ感覚だ。
メガネを後回しにしているなら、それはまだ「道具」としてしか見ていないからかもしれない。
ファッション業界で20年、多くの方のスタイリングをしてきた経験からいうと、アイウェアを意識的に選び始めた人は、見た目全体のバランスが一段上がる。
